Opuntia ficus-indica

サボテン科




ウチワサボテン類の一種で、原産地は南アメリカ。茎の縁の刺座に花芽をつける。紫色の果実をつけ、メキシコ、タイ、イスラエルなどでは重要な果樹として扱われる。また、葉は野菜として食用にされる他、家畜の飼料などにも利用される。


ナスカに向かう途中のレストランで、サボテンジュースを飲みましたが、赤紫色でした。ウチワサボテンの実だったのですね。


ウルバンバ川沿いのトレッキング出発地点で、川の
と平行に灰色に光ってい見えるのは、マチュピチュ
へ向かう列車の屋根です。



花の右と、写真右下部分のペースト状に見えるのが
コチニールカイガラムシの虫体被覆物と呼ばれる虫
の分泌物で、虫自体はこの中に潜んでいるのです。
指で擦り取ると紫色の汁がつきます。花は直径7〜
8cmだったでしょうか、大きくて美しい。

コチニールカイガラムシ(またはエンジムシ)

カイガラムシの仲間で、ウチワサボテン属のサボテンに寄生しています。雌は羽根が無く体長5mm、サボテンから水と栄養を吸収し、排泄物は上記の虫体被覆物となり、環境から身を守っているのです。園芸を楽しむ立場からすれば、カイガラムシは嫌な害虫ですが、このコチニールカイガラムシは、アステカやインカ帝国などで古くから染料として使われ、養殖されてきたそうです。
今では、清涼飲料水、アルコール飲料、菓子類、かまぼこなどの着色に使われているようです。カーミンという名前で知っている方も多いでしょう。pHにより色調が変化し、酸性側でオレンジ色、アルカリ性側では赤紫色。

コチニール染めとの出会い

私のコチニールとの初めての出会いは、八ヶ岳山麓の草木染めの店「マザー アース」(隣の工房で染めている)で、それは美しい草木染めの毛糸やセーターなどが並んでいるお店です。ピンクに近い赤紫色の絹のマフラーが目にとまり、何で染めたのか尋ねましたら、「コチニールです」と言って見せてくれたのが、赤ジソ色の粗い粉でした。虫だと聞いてビックリしたものです。正しくは草木染めとは言いがたいですが、天然染料の美しさで、その後もこの種の色の布やセーターを見るとコチニール染めではないかと思っているのです。