花の山旅・鹿島槍ヶ岳(Mt. Kashimayarigatake)
鹿島槍ヶ岳 2006年8月3日
若い頃は時々山歩きを楽しんでいました。とくに夏は、北アルプスなどを友人たちと縦走したものです。30代40代の頃は、子育てと仕事に忙しくて山からはすっかり遠ざかっていましたが、数年前に子育ても仕事も区切りがつきましたので、また山へ行くようになりました。中高年の山歩きの指導で知られる岩崎さんの倶楽部に入り、バテない歩き方を教わり、高血圧や膝に問題を抱えながらも、ゆっくり歩けば十分に山歩きを楽しめることがわかりました。2005年秋には北アルプスの爺ヶ岳へ登り、アルプス縦走も行けそうと嬉しくなったのでした。そして2006年夏、もう一度見たいと夢見た北アルプスのお花畑へと2泊3日の鹿島槍ヶ岳山行が実現したのです。蓼科の山小屋仲間のMieさんご夫妻と3人でした。梅雨が明けたら行こうと決めていましたが、何とその年は梅雨が長くて出発は8月2日になってしまいました。
【日程】:
1日目:八王子(JR中央本線)→信濃大町(タクシー)→扇沢の柏原新道登山口(標高1330m)
→種池山荘(泊)(標高2450m)
2日目:種池山荘→爺ヶ岳(標高2670m)→冷池山荘(標高2410m)→鹿島槍ヶ岳(標高2890m)
→冷池山荘(泊)
3日目:冷池山荘→爺ヶ岳→種池山荘→扇沢
2006年8月2日(1日目)
家を6時頃出て、お昼頃に柏原新道登山口に着いた。その日は種池山荘泊まりで前年秋の爺ヶ岳と同じスケジュールですので、気持ちにゆとりがあった。標高差1100mを登ることになるが、登山道はよく整備されており、問題なし。きつい登りも登山道沿いの花が疲れを忘れさせてくれた。初めて見るシラネアオイや黄色いスミレ(高い山のスミレはなぜか黄色だ)に感激し、ベニバナイチゴの紅紫色や、この花旅で一番のお目当てだった純白のキヌガサソウも林のなかに見つけ、楽しんでいるうちに種池山荘に着いた。
Mieさんと私は、早速、群落があるとガイドブックに書いてあったキヌガサソウを探しに出かけた。縦走路を針ノ木岳方面にちょっと歩いた所にあった。ナナカマドの林の下に、20−30株もあったろうか。ただ、記憶にあるキヌガサソウよりは小型だったのが心残りだった。30数年前に、初めて見た北アルプス鏡平のキヌガサソウは葉の広がりが70〜80cmくらいはあったという印象が残っているが、種池のはせいぜい40cmくらいだった。それでも、中心の花の大きさは変わらず、純白で美しく、堪能した。もっと先に他にも群落があって見落としたら残念と思って歩いていると、ちょうど針ノ木方面からの大きなザックを背負った女子高生二人に出会った。疲れた様子で、「種池はまだですか?」と聞く。種池のキャンプサイトでテントを張っていた高校山岳部の部員に違いないと思いながら「すぐですよ!」と励まし、「途中にキヌガサソウの群落はなかった?」と聞いて見た。「キヌガサソウ?」「 白い大きな花?」と首をかしげている。どうやら、背中のザックが重くて花を楽しむ余裕はなかったようだ。戻った山荘からは鹿島槍の双耳峰も見え、明日の縦走に期待がふくらんだ。
 ハクサンシャクナゲ |
 シラネアオイ
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 ベニバナイチゴ |
 ウラジロナナカマド |
 キヌガサソウ |
 夕暮れの鹿島槍ヶ岳(種池山荘から)
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