花の山旅・鹿島槍ヶ岳(後半)/ Mt. Kashimayarigatake(2)

爺ヶ岳 2006年8月4日

2006年8月3日(2日目)

 冷池(つめたいけ)山荘までは殆ど高低差のない縦走コースだ。お天気も良さそう。ルンルン気分で、爺ヶ岳を目ざす。昨年の秋はご来光を仰ごうと夜明け前に出発したのを思い出しながら緩い上り坂を歩く。種池の地点ですでに森林限界を超えているので、見晴らし良く、振り返ると種池山荘の赤い屋根が遠く下になり、右後方に劔岳がどっしりと構えている。お花畑のチングルマの綿毛が朝日ををあびて光っている。爺ヶ岳の山頂からは360度の眺望が開け、どの登山者の顔も、朝の強い日差しの中で山の頂きに立つ満足感にあふれていた。


チングルマの実

縦走路。右:剣岳、左:立山連峰。赤い屋根は種池山荘。

爺ヶ岳山頂から槍ヶ岳方面を望む。

コマクサ
 爺ヶ岳からは前方に鹿島槍を見、左手には劔岳と立山を見ながらの楽しい雲上散歩だ。8時過ぎには冷池山荘に着き、その日の宿泊を予約し、不要な荷物を置いてサブザックで身軽に鹿島槍を目ざす。500m弱の登りだが、道は歩きやすいし、何よりお花畑が素晴らしい。頂上に着く頃には雲が出て眺望には恵まれなかったけれど、道中充分堪能したので満足。お弁当を食べ、帰りはのんびり、花の写真を撮りながら下った。Mieさん夫妻には先に下りていただいて、ゆっくり写真を撮りまくった。曇っていたのは花の写真撮影には好都合だった。


チシマギキョウ

タカネツメクサ

ヨツバシオガマ

ミヤマアキノキリンソウ

ミネウスユキソウ

イブキジャコウソウ

ミヤマクワガタ

クモマスミレ

ミヤマシシウド

トリカブト

イワオウギ

イワヒバリ

タカネバラ

イワツメクサ

ゴゼンタチバナ

ミヤマキンポウゲ

シナノキンバイ

チングルマ

お花畑から見た鹿島槍ヶ岳

アオノツガザクラ

クルマユリ

冷池山荘

爺ヶ岳と湧き上がる雲,明日の天気は?
 小屋は平日ということもあり、8−9割は中高年登山者で、よく「最近の山は中高年ばかり」と言われるが、成る程と思った。夕食のテーブルで、隣のグループに「明日はどちらへ?」と聞くと、その女性は連れの男性に「明日はどこへ行くの?」と聞いたのには驚いてしまった。全くの人任せで、奥様は付いて行くだけという感じなのだ。私もMieさんも山岳部などに属したことはなく、同行者や本から学んで身につけた山歩きだが、それだけにメンバーは各自事前に地図やコースを調べているのが常識だと思っていた。

8月4日(3日目)

 日の出を見ようと、暗い内から小屋の前の小高い所で、カメラをセットして寒さに震えながら待った。4時半頃には雲海のすぐ上がオレンジ色に染まり、5時10分には太陽が顔を出したかと思うと、あっという間に明るくなった。今日もよい天気だ。食事を済ませて出発。来た道を戻るだけなので、とっとと歩いて昼頃に、登山口に下山。タクシーで温泉に立ち寄って、汗を流して帰途に着いた。


日の出前

雲海に浮かぶ山々

爺ヶ岳への登山道

鹿島槍ヶ岳への登山道