活動記録・みんなで多摩川に出て語る会の集いにおける意見交換会発言録
1 発言録

2 意見交換会で出た主な意見、要望等

1 発言録

障害者用河川敷トイレ設置記念 「みんなで多摩川兵庫島に出て、語る集い」

第3部 多摩川の河川環境に関する意見交換会

日時 平成10年4月18日(土)14:30〜15:30
場所 多摩川兵庫島公園
話題提供者 栗原秀人(建設省京浜工事事務所長)
大塚順彦(世田谷区助役)
長谷川幹(日産玉川病院医師)
木村信幸(地域における医療・保健・福祉を共に考える会会長)
鈴木栄隆(世田谷区地域福祉を考える会<たつなみ会>会長)
司会進行 荒木稔(たまがわネット)

司会:

ただいまから意見交換会をはじめたいと思います。

私、たまがわネットの幹事の荒木と申しますが、進行役を務めさせていただきますので宜しくお願いいたします。

本日は5人の方に話題提供していただくことになっておりますので、ご紹介いたします。

京浜工事事務所の栗原所長さん、世田谷区の大塚助役さん、日産玉川病院の長谷川先生、地域における医療・保健・福祉を共に考える会の木村会長さん、世田谷区地域福祉を考える会(たつなみ会)の鈴木会長さんです。宜しくお願い申し上げます。

本日の意見交換会は、野外ということでもありますので、あまり複雑で長い議論は出来ないと思います。今この場で感じている事を手短に伝えあうということにして、本格的なディスカッションはいずれまた別の機会を設けて行ないたいと思います。

本日の進め方は、まず話題提供を5人の方からいただき、そのあと参加者全員でフリーディスカッションをしたいと思います。

先ず最初に長谷川先生からお願い申し上げます。

長谷川:【施設の整備、自然との調和、研究会の取組】

河川敷にトイレが出来たことはまことに画期的なことで、兵庫島に様々な可能性が生まれて来る事と思います。行政の方のご尽力に感謝いたします。このような施設をもっと作っていくことは必要なことであると思います。同時に、河川は自然がありますので、この自然を壊さないように施設をつくることが大切だと思います。

司会の方も含めてですけど、木村さんとも一緒に、この辺の地域の方と玉川地区の研究会という名目にはなっておりますけど、少しいろんな問題を持続的にやっていこうじゃないかということを立ちあげつつありますので、本格的に始まりましたら是非、みなさんのご意見を言っていただくようなシステムも出来ればなと思っています。では、今後ともよろしくお願いします。

司会:

どうもありがとうございました。

それでは、次に世田谷区地域福祉を考える会<たつなみ会>の鈴木会長からお願いしたいと思います。

鈴木:【感謝、マウンティンバイク、自然景観との調和、拠点の増設】

みなさん。こんにちは。どうしてもわたくしは車椅子の立場でものを言ってしまいます。ただ、それが通用するって言うか私たちが気楽にこられるっていうことを、かなり、長谷川先生はじめとしてこの玉川町会の方々、ほんとに素晴らしい、そのなんていうか働きかけをしてくださってますんで、私はただ感謝する一方になってしまいます。さっきサッカーの少年達と一緒に川の近くまで行きましたけれども、結局、ごろごろした所に行くのは大変だから、マウンテンバイクっていう発想をどなたかされてましたけれども、具体策で、それを言うなればどの程度適応できるか、今度は、例えばそれをどこへおくか、私は、なんですか、東神開発のお話をしたときにも、まず最初のあそこの坂、あれ下りるのは私簡単に下りるんですけれども、登っていくの、これ一人ではかなり大変になってしまいます。さっき言ったみたいに、マウンテンバイクという発想ですね、そういうようなものをどこでどう取り入れるか、そしたらもうすべての問題は、一挙に解決してしまいます。川辺に行くまでのですね。

自分の立場でものを言っちゃって申し訳ないんですけれど、私が行ければですね、誰でも行けるだろうという、発想になってしまいますもんですから、一番声を張り上げてしまうんですけれども、一方そのいうなれば、川辺まで持ってくると言うことになると今度はこれは自然景観を壊すかなというような気持ちにもなりますし、山あり谷ありのところがけっこう多いのでやはりここはひとつ、ここは電動車椅子でも可能だと思いますし、そこらへんを例えば今度園芸店なんかが出来るところに常時貸し出し用のものを用意してもらったり、どこかこれ近くにですね置くとか、そういう具体策を煮詰めた方が、良い意味で我々も河川に親しむことが多くなるんじゃないかな、という気がしますし、さっきあの、多摩川センター、三多摩自然環境センター代表、全国義民顕彰連絡協議会会長の文学博士である横山先生がおっしゃってたこと、私アンケートにも書きました、こういう拠点がここだけでなく、狛江ですとか、大田区、そういうところに点々と広がってくれることを先ず願います。

これくらいかな。以上です。

司会:

どうもありがとうございました。

それではつぎに、地域における医療保健福祉をともに考える会、木村会長からお話をいただきたいと思います。

木村:【自然環境との調和、ソフトの重視、トイレの設置】

自分が、共に考える会のほうで障害の方々と一緒に、まちの中で、障害の方々の生活圏をどうやって広げていったらいいのだろうということを、そういった活動で考えてきましたけれど、個人的には、日々、障害の方々と過ごす、そういう施設で働いているんですね。先日、施設の方たちと多摩川の河原でバーベキューをしたことがあるんですけれども、たしかに、先ほど長谷川先生がおっしゃっていたように、車いすの方や身体の不自由な方が行きやすい場所にするということももちろんに大切なんですけれど自然を損なわない、そこらへんの折り合いをどう付けていくかということを考えていくとですね、私たちの会がやっています、街へ出ようという試み、この試みがひとつのヒントを与えてくれるのではないかという気がするんですね。

たくさんのお金をかけて整備をする、整備をすれば当然お金もかかります。建物とか街も、障害の方々とかが来やすいところにするのには、ホントに莫大なお金がかかるんだろうと思いますね。そういった莫大なお金をかけていただくのはホントに有り難いと思うんですけれども、じゃあお金のないところでは一体どうしたらいいんだろうというと、やっぱりそこでは、ハードがダメならソフトがあるだろうというような考え方があろうかと思うんですね、人海戦術でやるという方法もあるでしょうと、ようするに街が、この二子玉川という街が障害の方々がふらっと遊びに来ても、なんとなく少しずつ安心できる街になっている、しかもその障害の方でも入れるトイレが設置されていた。この排泄の問題というのは非常に自尊心に触れてくるようなこともあるわけですから、トイレが完備されているというのはとっても安心できるんですね。ですから、そういう優しさに満ちあふれたところ、それから優しい人たちがたくさんいるところ、たとえハードのところで厳しいところがあったとしても、ある程度補えるのではないだろうか、という、思いがいたします。そんな人をたくさんお友達にしたいということでこれからもこういった活動をやっていきたいなあと考えています。まあ、そのあたりのところをみなさんとお話しあいができたらなあと今日は考えております。よろしくお願いいたします。

司会:

ありがとうございました。

それではつぎに世田谷区の大塚助役からご意見いただきたいと思います。

大塚:【家街条例、歩道、交通、エスカレーター、計画づくり、自然との調和】

助役の大塚でございます。

世田谷区では今、世田谷の家街条例というものを制定しまして、それに基づいて、身障者の方に優しい街づくりを行おうというようなことで、いま方針づくりをやっているわけです。この内容というのは、まず住んでおられる家に、家であれば家を建てる時に手摺をつける、あるいはエレベーターをつけるとか、リフトをつけるとかそういう廊下を広くする、いろんな工夫をできるような、そういう住宅を造っていく場合には、区としてもできるだけ支援をしていこうと、それからつぎに家をでて街を歩けば先ず道がどうなっているのか、で今歩道なんかも非常に、世田谷の場合は道路が狭いもんですから、歩道が狭いとかあるいは歩道に電柱があってなかなか行動ができない、そういった問題をどうやって工夫すればみなさんが活動しやすくできるのかということを、方針の中でいろいろ具体的な事例を含めて今、検討してそれを少しづつ事業に移していこうというようなことでやっています。

次には、歩くって言うことから、交通の問題があります。電車ですとか、その他の大衆輸送機関、バスで言えば低床の床がついたバスをできるだけ多く設けて欲しい、ということで、なかなか今、バス会社の方もそういった設備が高いということで、満足に行っていない状況ですが、少しずつでありますがそういうバスも増えてきている。

それから二子玉川の駅についてもこれは地元の商店街のみなさんですとか、色々な方と協力してその改造が進めば、エスカレーターが、昇りだけでなく下りもつけるようになった、それから、高島屋さんのほうの協力も得て、下りの方のエスカレーターもできる、で、こういう行動の範囲も広げていこうというようなこと。

それからこういう公園ですとか公共施設、それから買い物、こういったような施設についてもできるだけみなさんが使いやすいまた入りやすいそういった施設になんとかできないか、これ行政だけでできませんので、こういう方針だとか、計画をつくって区民のみなさんにご理解をいただきながら区としても民間のみなさんと協力してご協力をお願いするとかしていこうというようなことで、そういった方針と計画づくりを、決めているところです。ただ、計画造りとかそういうことばかりやっていてはなかなか具体的に目に見えてきませんので、今日は二子玉川のこういったトイレ、もその一環としてそういう計画とは、平行して実践的にできるものは身近なものからできるだけ取り組んで行きたい、と考えているわけです。で、私どもの方も、先ほどここに参加させていただいて、長谷川先生はじめ、各先生からいろいろお話をいただいているように自然の景観と調和して、どうみなさんが活動していただけるのか、で、園道を造ったりするのは簡単にできるわけですが、これではあまりにも景観的におもしろくない、やっぱり健常者と一緒になって活動できる、施設を最低造らなければならないと思いますが、そのようなものは逆に車椅子を改造すれば、先ほどマウンテンバイク型とかいう話が出ましたが、そういったようなものを、ドイツではそういうものがすごく発展しているわけですが、そういうような車椅子の設備も良くしていくことによって、健常者と同じように行動ができるんではないか、そういう人に優しい街づくりをなんとか世田谷区としまして区長を中心にしまして、私ども一体にこれからも取り組んで行きたいと思っていますので、またいろいろご意見がありましたらお聞かせいただければと思っております。

司会:

どうもありがとうございました。それでは、最後になりましたが、京浜工事事務所の栗原所長からお願いします。

栗原:【街が多摩川から離れた、川の大切さを見直す、みんなで川に出る、バラバラなニーズのくみ上げ、兵庫島がどうあるべきか】

改めまして栗原でございます。今日はどうもありがとうございました。今それぞれの方からお話があったわけなんですが、私は少し、川と街の関係、あるいは人と水の関係というようなことでちょっと話をさせていただきたいと思います。今、NHKで徳川慶喜やってまして、もうちょっと先にいよいよ明治維新になるわけです。日本は明治維新以来僅か百二、三十年で世界に冠たる経済力を持つまでに発展してきたわけです。その過程でいろんな事をやって、都市を発展させ経済を発展させ、で、逆にその中でこの多摩川をずいぶんいじめてきたという経緯があるんだろうと思います。多摩川から水をいっぱいとったり、砂利を採ったり、そして豊かになっていって、そして気がついたときには私たちの生活だったり、あるいは私たちの街が多摩川からずいぶん離れたところにあった。で今そこそこ豊かになって、川というものに恋い焦がれている。それは車椅子によって歩く方だけでなくて、みんなが川に恋い焦がれて改めて川の大切さを見直すという、そんなことに気がついている時代になっているのではないかと思います。川から離れたその結果川のもつ素晴らしさも見えなくなってしまった。川を大切にしようという気持ちや川をいたわろうという気持ちをどこかに追いやってきた。そんなことにみんなが少しづつ気がついてきているのではないか、そんな思いがいたします。で、何はともあれみんなでもう少し川に出てみよう、だけど出るためにはまだまだ不都合な点がいっぱいある、先ず物理的に出られない、出たところに水が汚い魚がいない、いろんな事があるんですが、とにかくみんなで川に出る工夫を、ここしばらくは意識して、あらゆる関係者が取り組んで行く必要があるのかな、そんなふうに思います。ただし、先の先生何人かおっしゃられたように、川に対するおもいとか川に対するニーズ、これもまた、時代によって地域によって、各個人によって、ばらばらなので、そんなばらばらなニーズとどうやってとりくんだこの兵庫島にしていくのか、そのあたりをこれまた、いろいろな関係者が現場に出て実践しながら、くみ上げていくことが必要ではないか、一時、あの、もし関係した方がおられたら許していただきたいんですが、一時、街の中に公園を造ると云って提唱したときに、どこに行ってもおんなじような金太郎アメの公園で、できた当時はみんな喜ぶんだけど、暫くたったら魅力のない味気ないもので、だれも公園を利用しなくなった。やはり、それぞれの地域にあった公園、川で言えば、地域にあった 川とのつきあい方、その舞台としての兵庫島というのはあるんだろうと思います。多いにこれをきっかけにみんなでここへ来て、いろんなことやってみる、車椅子のまんま川に入ってみようとかですね、車椅子のまま正月には凧を上げてみようですとか、色々なことをやりながら、どういう多摩川とのつきあい方そのための兵庫島がどうあるべきか、そんなことを私たちも一緒になって考えていきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。

司会:

松本実行委員長から一言。

松本:【わが街の庭兵庫島、力を合わせて楽しく来られる街にする】

どうもみなさん。ホントにありがとうございます。

我が町の庭としているこの兵庫島にですね、この素晴らしい、みなさんが来やすいようなトイレ、造っていただきまして本当にありがとうございます。先ほども申しましたように、我が町は人に優しい街づくり、家族そろってこられる、これからの時期は陽気も良くなるし、こういう自然環境でのびのびと半日でも一日でも過ごしていただきたいという思いで、今日ここにみなさん大勢の方のお力でもってできたといことは、ホントに私ども宝物にしていかなければならない。というふうに考えております。なにかありましたらまたご要望いただければ、街といたしましても、我々だけでなくて、皆さんの力が一番強いわけですね。そういうことでございますので、皆さんとともに力をあわせて、良い街楽しくこられる街にしたいと思いますので、是非よろしくお越しいただき、ご要望がございましたら言っていただければ、それぞれの関係のところに陳情に行くのはやぶさかではございませんので、是非ひとつ楽しく来ていただきたい思います。ありがとうございました。

司会:

ありがとうございました。

素晴らしい話がいろいろ出てきまして、今気がついただけでも、自然を大事にしたいとそういう話題も一つでました。それからマウンテンバイクとかいろいろな工夫をして、楽しみ方を工夫していきたいと言うようなお話も出ました。それから、ソフトが大事だと、いうことで施設だけでなくソフト面を重視していこうと、いうようなお話も出ましたし、川のつきあい方、様々なお話が出ました。それで今日はせっかくみなさんがお集まりなので、皆さんからのご意見を中心に行きたいと思います。どなたかご意見のある方いらっしゃいますでしょうか。今の皆さんのお話を受けましてご意見のある方からいただければと思いますが、

よろしければ、お名前を言っていただければと思います。

小宮:【公園全てに身障者用のトイレを、トイレが味気ない、交通整理や道路整備】

小宮と申します。家内が障害なもので。こういう素晴らしい今日の機会をお与えいただいたことをたいへんうれしく感激いたしております。えー、私たち街におりますと、なんたって、水がないんです。近くには桜並木の呑川の親水公園がございますけれども、桜の咲くときぐらいは行ってみますけれども、普段はあまり参りません。それから駒沢公園に良く参ります。あそこはなかなか広くて楽しいんですけれども、やはりここも水気があまりないようでございます。トイレは2個所ございまして、たいへん素晴らしくできておりますが、私たちは常にトイレのある場所でなくては行動できない訳でございます。それで、助役さんもおられるので世田谷まず私たちは公園という公園に全部身障者用トイレを一個ずつ造って欲しい、これは私どもの真っ先の願いでございます。それからトイレと申しますれば、高島屋さんの南館の3階の通路のところにございます。あのトイレが私ども一番好きなトイレでございまして、カラフルでございまして、楽しゅうございますし、そう人もどんどん参りませんし、トイレが一階にもございます高島屋さん、あそこはちょっと味気ないので、三階のトイレが一番大好きでございます。ここのトイレはちょっと味気がないような気がしますし、鏡くらいは是非つけておいて欲しいなあという気はいたします。こんなことで、アンケートに少し書きましたのでこれからもここへなるべく来ようと思いますが、今度二子玉川の開発などがあると、もっと人が出てますます来にくくなるんじゃないかと心配も私たちいたしております。是非こういうところへ来れるような交通整理や道路などお考えいただきまして、もう少し街へ出て行くついでに川を見るところというところまで足を伸ばせるようなご配慮を区長に是非お願いしたいと思います。ありがとうございました。

司会:

どうもありがとうございました。

よろしければ、車椅子の方にもご意見いただければと思うんですが。

鍵富:【トイレ明るい、子供たち、川に出る緩やかなスロープ、駐車場】

今日は本当にありがとうございました。一つトイレを造るのにこれだけのたくさんの方が集まるってことにちょっとびっくりして、ほんとに皆さんが一生懸命やってくださったので感激しております。トイレの方も使わせていただきまして、広くて天井のところが、天窓で日がさしてきましてとても明るくて今日みたいな日は気持ちよかったです。それと、こどもたちは何処へ行ってしまったのかなという感じで、今日はそれも楽しみにしてたんですね。子どもたちと会えるということで、ここまで車椅子を押していただいて、野球のチームだったんですけど、話をして、もう少しお話ししようと思ったら、式典のときのササッといなくなってしまって、ろくにありがとうも言えなかったので、それがとても残念です。川に出るには、ガタガタ路で、子どもに押してもらって動かなくて、大人でも大変だと思うので、もしできればこういうアスファルトのようなかんじでゆるやかなスロープがあればいいなと思います。それで私は車は運転できますので、できれば川へせっかく入れるところがあるので、周辺に、ちょっと難しいとは思うんですけど、川専用の駐車場を造っていただければとありがたいと思います。

司会:

どうもありがとうございました。質問あり、ご意見ありということで、いろいろでてきたご意見に私はこう思うとか積極的にご意見をかわしていただければありがたいとおもいます。

先ほど横山先生というお話が出ましたので、横山先生からひとこといただければと思います。いかがでしょうか。

横山:【障害者へ配慮したゾーニング】

先ほどは、敬意をもっての祝意のご挨拶ということだったんですけれども、今度は少し、前に言った方へのお願いを申し上げて見たいのですが、わたくし28年くらい前から、多摩川の自然保護運動に関わって参ったのですが、それから見ますと、ホントに多摩川が沿岸の人々に優しい形で管理されてくるようになったということは確かなんですけれども、やはりその際に、例えば、自由使用の原則ということですと、強い若者が多摩川を占領する恐れがあり、最近2.3年の不景気の中ではバーベキューをしている若者がものすごく殖えちゃったというのが最近の顕著な現象です。ですから、そういう意味では、昭和55年にゾーニングをして多摩川の管理についての地域指定をしたわけですけど、その時にはあまり配慮をしていなかった、子どもや老人、それから障害を持つ人々への配慮をしたゾーニング、どこでも同じようなというわけには行かないでしょうから、ここは若者にはいいけれども、若者はここだけにしてくれと、ここは是非子ども老人の場所にしようじゃないか、そしてまた、ここはとりわけ障害のひとのふりをしやすい場所にしようじゃないかという地域考慮、ゾーニングですか、を考慮してやっていただくようにしたい。先ほど、障害の方に都合の良いことを100%やれば、自然の景観とか保護に多少問題があるかというふうな心配があったようですが、それは地域はここだと限定してやることによって、バランスをとっていく、絶対ということは管理にないと思うので、相対的にバランスをとればいいんじゃないかなということについて是非栗原所長さんに、そういうことを早く多摩川にやっていただきたいなと思っております。

司会:

所長の方からお願いします。

栗原:【環境管理計画の見直し】

いまのお話は、全体をちょっとせっかくの機会ですから、皆さんにお話ししていきたいと思います。多摩川を利用するのに、色々な考え方があります。例えばサッカーグラウンドにして使いたいと言う人がいます。その時は当然全部河原をまったいらにして草も生えないようにしなくてはいけない、でそういう利用を望む人もいるし、一方ではできるだけ手を入れないで、河原植生、むしろ森のような景観を残して欲しいそこで貴重な動植物を守っていくんだ、ま、そんな考え方がいろいろある中で、そういった利用、保存、それをこの多摩川の中でうまくすりあわせていくと言いますか、地域ごとに色分けして、ここはグラウンドのように使いましょう。ここはできる限り手を入れないで、自然を守っていきましょう、という工夫を、8つの区分のグラウンドのようなところから、手をつけない生態空間まで、8つの空間にこの多摩川を上流から下流まで全部色分けしまして、昭和55年に色分けしました。それが多摩川環境管理基本計画というものです。で基本的にそれに基づきまして、対岸に見えます公園だとか、そんなものが使われているわけなんですけれども、つくってから既に18年たっております。その時とは、先ほどから出ておりますように、川をどういうふうにつかいたいという要望もいっぱい変わっております。それから、その時には短かった木がでかくなってきているっていうようなこともありますし、なににもまして、当時よりも環境を大切にしよう、守るだけの、手をつけないで守るだけでなくて、自然の中で自分達も触れ合おう、それも含めて自然とつき合っていこうという考えが出てきています。今の考え方に基づきますと、18年前に作った環境管理計画はそぐわない点がいくつか出てきていると私たち考えております。その計画を現時点の目で地域の皆さんの考えを聞きながら、ここ一年二年で作っていきたいと準備をしております。で、みなさんにアンケートなり、ホームページを開くなりして、意見をいただいた上で、もちろん行政としての意見も聞き、学識経験者からもいろんな参考意見をいただきながら、一、二年で作っていく、そんな準備をしておりますので、そのさいに大いに遠慮なく、お考えご意見あるいは、モトクロスはうるさくていけないから排除してくれということまで含めて、どんどんご提案いただければ、そんなことを踏まえながら、新たな環境管理基本計画を作っていきたいと思います。もちろん一つの場所について、グランドで残せという人もあるし、もうグランドはやめて、植生にもどせと言う人もあります。右から左までそんな意見があることを承知で、いろんな意見を聞いて合意形成に持っていきたいと、そんなふうに考えております。

司会:

どうもありがとうございました。今、事務所長さんの方から、環境管理計画を作り直して、福祉のことも含めていきたいと、そういうお話があったわけですけれども、きょうはせっかくなので、この二子付近の環境をどうしたらよいか、あるいは多摩川をどういうふうにしたらよろしいか、ご意見がありましたらせっかくなので、述べておいたらそういう計画に反映されるかも知れませんので、ご意見のある方は是非よろしくお願いいたします。先ほど鍵富さんのほうから、駐車場の話とか、園路を作って欲しいとか、そんな話がございましたけれども、それ以外になにかアイデアとかご意見ございますでしょうか。

大塚:【トイレに反対の声も多い、自然の景観とのバランス、最低活動の整備】

その前に先ほど公園全部にトイレをつくれっていうお話がありましたので、私の方からちょっとお答えをさせていただきます。

公園に私どもの方もトイレを設置する場合に、公園の広さですとか、周りの環境ですとか配慮して作るわけですが、一番の難点はトイレを作ることによって、公園の周りの方々から必ず反対のご意見が出ます、そんな形でなかなかトイレが作れないという部分がございます。で、ある程度大きい公園についてはですね、トイレを作ってもいいんですが、それでも例えばあんまり暗いところに作ると防犯上良くないですとか、もうちょっと違う方向へ作れという話になると、そちらに近い人達から反対という様な声がありまして、なかなか公園一つ作るのも今、区の場合は苦労しているというのが状況です。しかしながら、ある程度公園の中にトイレを作るのは、私どもとしては当然かなあと、考えていましてこれは一定規模以上ないとできませんが、そういう規模のトイレについては、住民の方のご理解も得ながら作っていきたいなあと、それからしかも、あんまり固まって、じゃあなくて、全区的にといいますか、あるネットワークの中で、そういうものが作っていければ、皆さんも活動しやすいのかなあ、というふうに考えているところです。それから、園道につきましては、いろいろご意見がありまして、われわれの方としては、最低の部分についてはそういうものを作って整備をしていかばければならないんではないかなあというふうには思っておりますが、あまり整備してしまいますと、ホントにそれが自然の景観や、健常者と一緒になって自然を楽しんでいただくっていうようなこともあろうかと思いまして、全体のバランスのなかで、そういうものは作るものは作る、自然においておいた方が良い物はほんの一部修正するだけで、あとは介護者のかたと一緒になって最低活動できるというような整備がいいんではないかと思っておりますが、それぞれの施設や地域の特性によって違いますので、そういったご意見も踏まえてわれわれの方はそういった整備については考えていければというふうに思っております。以上です。

司会:

ありがとうございました。何かだんだん楽しい街になっていく、楽しい会になっていくというような感じがします。本日川崎の方からも、たくさんの方に来ていただいておるんですが、田中さんから一言、ご感想とかあれば。

田中さんはフィジーに一緒に行ったメンバーです。

田中:【宿河原河川敷の整備】

とつぜん御指名いただきました、わたくし多摩川と語る会の代表をさせていただいておりまして、多摩川を河口から138キロ歩きまして、この度、来月の5月11、12日にとうとう源流に到達するっていう全会員60名、参加者30名くらいですが、これもホントに先ほど日本一の京浜工事事務所っておっしゃいましたが、その所長さん以下職員の方の、本当に多摩川を市民と一緒になって作っていこうという、そういうことでご協力をいただきまして到達したわけでございますが、今日またここへ参りまして、もうこれは常々、私ども川を挟んで流域の人達一つになりたいという思いがありましたし、世田谷とも交流させていただいておりますが、世田谷のこういう会に出席させていただく度に、世田谷の行政と市民の皆様のパワーアップの素晴らしさにうらやましいナーと思って、こういうのどうしたら川崎に持っていけるだろうかって、ことある度に馳せ参じて、どうにか爪の垢を煎じたいと思っているんですけど、なかなか今のところ、効果が上がらないということですが、まあ、少しづつ見習ってこれからも、先ほど四ヶ領用水ということがありまして、今度、宿河原の方にやはり河川敷ができますので、その時はまた皆様のご助力をいただいて、障害者のためにも素晴らしい河川敷の川の公園ができたらなあと思っております。ホントにおめでとうございました。

司会:

どうもありがとうございます。

あと会場の方からご意見がございましたら、この際ですから。

川西:【福祉機器リサイクル】

わたくし自立生活センターはんず世田谷の事務職員をやっております川西です。今日兵庫島に来て、久しぶりで、もう十年ぶりくらいくらいです。で、当時は兵庫島のテクタクマップという様なものがあったように思います。それを、有名なお寺なんかの、拓本っていうんですか、それをとりまして、あちこち歩き回ったのを覚えています。で、砂利道だったので、歩くのが大変で、よくおんぶしてもらってたのを覚えています。やっぱり花があって、小鳥のさえずりがあって、いいなあと思っていたのを覚えています。で、ぼくからは、福祉機器のリサイクルの問題について、えと、簡単ですがちょこっとお話しいたします。ただいま助役さんがおっしゃられたように、車椅子の中でも、マウンテンバイク式のもの、マウンテンバイク式っぽいのはないんですが、電動式車椅子と申しまして、スズキと思いますが、作っている、厚生省が認めているものなんですが、あります。電動車椅子、もちろんパワーもありまして、こういう砂利道もすごくスムーズに行きます。あとそれからですね、いま水辺に浮く車椅子っていうのもあります。たとえばそこに水がありますけれども、ここの部分ですね、タイヤの部分がゴムみたいになっていまして、水に浮かすと、軽くすーと動くよというものもあります。で最近のものはいろいろありますが、ただ一つ問題点なのがですね、あの、日本の公渡機具制度っていうのは、行政がお金を出して、個人の人に与えたら、その人が死んじゃったらもう使えないっていう、現状があるんですね。そうすると、電動車椅子なんかすごくもったいない気がします。僕は、中古の電動をある人からもらいましたけれども、けっこうまだ使えるようだと思います。まだ一年ちょっとは持つんじゃないかって、一年ちょっとっていってもけっこう長いですからね、リサイクルも結構できるので、リサイクルセンターみたいなものがあってもいいんじゃないかなあと思います。スウェーデンなんかいくと、壊れる前に、バッテリーなんかも換えて、直して使っちゃうような制度もあるみたいなので、そういった拠点がいくつかあってもいいんじゃないかなというふうには考えています。是非考えて見ていただけたらと思います。

司会:

どうもありがとうございました。新しい話をしていただいてありがとうございました。

袴田:【動植物事前調査】

袴田と申します。河川敷の整備に関してなんですが、例えばグランドを作ったり、大規模に整備する場合ですね、事前に動植物にどのような影響をもたらすかというのを事前に調査しているのかどうかちょっと疑問に思いまして、ちょっと質問したのですが、必ず環境を変えますと、周りの自然が、動物や植物などにもかなり影響を与えますので、私の意見としては、人間本意だけじゃなくて、周りの動植物に対しても、配慮していただきたいなと思います。以上です。

司会:

どうもありがとうございました。先ほども自然を大事にしようというお話が出ましたが・・・。

栗原:

河川敷の中に、グランドを作る場合など、河川敷が大規模に、前の状態と変わってしまう場合ですね。

栗原:【貴重種、稀少種の調査、多様な河原植生の大切さ】

川の中の工事のことだと思いますが、今大きくグランドに整備していくという工事は、たくさん行われてなくて、え、むしろやってるのは建設省、私どもはですね、緊急河川敷用道路ですとか、あるいは水当たり部分がえぐれているので、そこに、水衝ブロックを貼れですとか、あるいは、上流の方になりますけど、そもそもまだ、堤防がないというようなところに堤防をつくれ、まそんな工事のことだと思いますが、事前調査ですとか、アセスメントというようなところまでやってないんですけれど、貴重種、希少種があるかっていうことは最低限調べます。結論から言ってしまうと貴重種、希少種というのはあまりないですが、ただその河原の持っている、多様な河原植生そのものの大切さ、これはそれはそれで、きちっと残していかなければならないと思います。浅川なんかでやった例ですけれど、地元の方と一緒に、表土をはいで、表土を仮置きしておきまして、そして、中にコンクリートの洪水にも強い堤防を作りまして、その上に普通の土をかけて最後に仮置きしておいた、そもそもあった表土を戻して、そもそもそこにあった河原植生に戻す、そんなことも大いにやっております。これからもそういったことをやりながら、多様な植物がいること自身河原の植生の大切さだと思いますんで、皆さんにもお力をいただきながら、そんな工夫をやったいきたいと思っております。

司会:

それでは、時間もだんだん少なくなってきまして、区議会の鈴木先生からも一言いただけますでしょうか。

鈴木:【スポーツ少年団、福祉と子供のドッキング、兵庫島保存会】

私、区議会議員をさせていただいております。鈴木と申します。区議会議員の立場と言うか、先ほど少年団のことについて聞かれたもんですから、私は20年前からスポーツ少年団の野球をして、事務局長を預かり、そして議員にしていただきましたので、そのことをちょっとお話しさせていただきたいと思います。ちょうど昭和40年に非行化防止とか色々あったときに、ここにおられる、松本町会長さん、街の人の英断で、学校の地域ぐるみのスポーツ活動で、非行化防止を図ろうということでできた団です。その頃から、町会が5万10万今25万円の補助金をもらって運営しております。その中には、街の美化運動ですとか、まつりのお手伝いですとか、というような日本では少ないと思うのですがそういう学校地域を考えた場面ですから、今日うれしかったのは、こうして、福祉とこどもたちがドッキングできると、いうことを夢見ておりました。そういう中で、こういう活動の中で、共存共生みたいなですね、これは、いままで、行政に関しては縦割でしたから、これをこれから横にして、若きも老いも一緒で、そこに困難さがあれば、このようにえー皆さんと相談させていただきながら、行政でも議会でもがんばって、生きたいと思います。今日のスタートは素晴らしいなあと思っております。ホントに日本一のこのスタートとしていきたいと、私も末端議員ですが、がんばっていきたいと思います。もう一つ、今の栗原所長さんに感謝したいのですが、昔昭和48年に狛江の決壊っていうか、大変な事件があったときに、当時建設省はこの兵庫島をなくそうみたいな考えがあったと聞いております。それを地元町会とかの皆さんが立ち上がって、区にお願いして、建設省にお願いして、私が議員させていただいた、昭和58年の6月に世田谷区が建設省から借りてここを公園として使わせていただいている経過があります。そういう意味で色々な形で守りながらですね、またあの兵庫島保存会という会もあります。松本町会長さんがトップでやっております。そういう意味で皆様とともにこの兵庫島を保存しながら、また福祉にも優しく、また少年の健全育成にも、また私たち大人も仲よくがんばっていきたいと思っております。本日はどうもおめでとうございます。どうもありがとうございました。

司会:

どうも、力強いお言葉ありがとうございました。

それでは時間もなくなりましたので、最後にたつなみ会の鈴木会長と、それから木村会長と長谷川先生に一言ずついただきまして、お開きにしたいと思います。鈴木会長の方からまずひとこと。

鈴木:【発展していく工夫】

私の方は本当に感謝する立場かなと思っております。これから良い意味で良い意味での発展していく方法工夫をですね。是非実現化していったらですね、もっともっとわれわれに素晴らしい時代が来るなあと思っております。どうも今日はありがとうございました。

木村:【人と人がふれあえる場所】

ほんとに感激しておりますけれども、こういう場所を作るだけでなく、そういう場所を使う人と人とが触れ合える場所のような、そういう、機会をたくさん作っていただけたらというふうに思っております。

先ほどハード、ソフトというあいまいな言葉を使いましたが、やはり、先ほど松本会長がおっしゃっておられるように人に優しい街ということでそこに存在するのはものでなくて人であると思いますので、その人と人とが触れ合えるような場所、この兵庫島もそうなって欲しいし、二子玉川もそうなって欲しいし、世田谷全体がそうなって欲しいなと思っております。本日はどうもありがとうございました。

長谷川:【さまざまな交流、遊びに来れる条件づくり】

今日はホントに素晴らしい出発式といいますか、トイレをめぐってこれだけの大勢の方といるってことは、ホントにうれしく思っております。これを機会に兵庫島を中心に多摩川とのおつきあいをどうするか、先ほど川崎の多摩川と語る会というようなところ、いろいろありますし、そういう先輩方の方々も一緒になりまして、色々意味で川との交流、それから動植物という意見もあったと思いますが、いろんな意味での心豊かになるような交流がきょう出発して、いろいろこれから企画しながら、自然な形で遊びに来れるという状況が作れればいいなあと思ってますので、これからよろしくお願いいたします。今日は本当にどうもありがとうございました。

司会:

どうもありがとうございました。本日は司会の不手際で、十分な議論ができませんでしたけれども、一応これでお開きにしたいと思います。特に私が下手なまとめ方をしましてのしかたがございませんので、まとめはしませんが、わたしの感想を一言だけ言わせていただきますと、自然を大事にしなければいけないということ。ただ施設を、もちろん施設は整備していくわけですが、施設を作るだけではなくて、利用の仕方を工夫していこうという話が出まして、この多摩川の奥深さと言うか、文化の高さというか、そういうものを強く感じました。今最後に長谷川先生の方からもありましたように、これだけで終わらせるのではなくて、これからいろいろな福祉の川づくりというようなことを進めていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。今日はどうもお忙しい中ありがとうございました。一応これでお開きにしたいと思います。

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2 意見交換会で出た主な意見、要望等

施設整備

障害者用施設整備の推進

兵庫島までの交通整理、道路整備

トイレが味気無い

川に出る緩やかなスロープ

駐車場

自然との調和

障害者用施設整備の自然環境、自然景観との調和(関連 最低限の整備)

動植物事前調査は(関連 貴重種・希少種調査、多様な河原植生の大切さ)

ゾーニング

障害者に配慮したゾーニング

環境管理計画の見直し

拠点

障害者利用拠点の増設(関連 宿河原河川敷の整備)

機器

河原向き車椅子の開発利用(関連 マウンティンバイク、電動式、水面浮上式)

福祉機器リサイクル

利用、ソフト

ソフト面の重視

みんなで川に出てつきあってみる

兵庫島においてバラバラなニーズを汲み上げる

楽しくこられる街にする

スポーツ少年団、福祉と子供のドッキング

兵庫島保存会

交流の工夫、条件づくり

世田谷区

家街条例による計画づくり

公園全てに身障者用トイレを(関連 反対が多く苦労している)

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