(11)列車の旅


オリエント急行と同じクスコへの列車

〜列車でクスコへ

12時半にはゲートそばのレストランで昼食となった。バイキングだったが、美味しかった。日差しの強い中を歩き回ったので、フルーツ(パパイアやスイカのカットしたものの盛り合わせ)がとくに好評だった。バスで麓の村に下り、3時まで買い物時間。トレイル中に食卓に掛けられていた布(1x2m)と同じ物を20ドルで、毛糸の帽子を15ドルで購入。
3:25発クスコ行きの列車に乗った。クスコ〜マチュピチュの列車は欧州のオリエントエクスプレスの経営だそうで映画でお馴染みの青い列車だった。3種類のグレードの列車が走っているそうだが、私たちが乗ったのは中のクラスのヴィスタドームだ。4人用の向かい合った席にテーブルがありティーセットが置いてあった。普通の窓の上にも展望用のガラスがはめ込まれていて、空が見えた。


土産物屋が並ぶアグエスカリエンテス。

ビスタドーム号の軽食。

車窓風景。

オリャンタイタンボ駅。次の列車の発着表示板。

ずっとウルバンバ川沿いを走る。山や川を眺め、サンドイッチと飲み物が一区切りしたところで、突然、民族音楽が流れ出し、祭りの面と衣装をつけた男の舞踊が始まったのには驚いた。それが終るとアルパカ製のセーターのファッションショーが始まった。今までウェイターとウェイトレスだった男女がモデルに早変わり。すっかりモデル風の歩き方で車内の喝采を浴びた。次々に美しいセーターが披露される、飽きた頃に終りとなり、今度はそのセーターをワゴンに積んで、車内販売だ。もちろんさっきまでモデルだった2人が売り子だ。どうやらどの車両でも同じことが行われているらしい。セーター類は私が街のバザールで買ったのとは10~30倍も値段が違うが、結構売れていた。

オリャンタイタンボで、乗客の半分以上は降りた。辺りは暗くなり、列車はスウィッチバックでクスコへと標高をかせぐ。やがて美しいクスコの夜景が見えてきた。今までに見たどこの都会の夜景よりも美しい。構成するのは、家々の玄関の蛍光灯の青と街路灯の橙色の光だ。それに街の中心のカテドラル等のライトアップ。クスコは高地のため、盆地状の低い所が高級なのだそうだ。峠を越えた列車は、今度はその中心部に向かってスウィッチバックを繰り返してジグザグに降りるので、夜景はいつまでも楽しめた。車内照明は消され、“コンドルは飛んで行く”などのフォルクローレが流れる心憎い演出だった。レストランで夕食を済ませホテルに向かった。駅からバスで5分位の植民地時代の建物を使った趣のある高級ホテル(リベルタドール・クスコ)だった。


面をつけ、リャマの剥製を持った祭り
用正装(?)で踊ってくれました。

アルパカ製セーターのファッション
ショー。このポンチョは売れました。

3人の客席乗務員兼ファッションモデ
ルです。