(4)インカトレイル1日目


この図はマチュピチュまでのインカトレイルの高低差を示している。右端がスタートの88km地点
(私たちの出発地は82kmだった)で標高2500m、最高地点のワルミワニュスカ峠
(標高4200m)を越えて、左端がマチュピチュの2400mである。




スタート地点はウルバンバ川沿いで鉄道の駅もある。

〜スタート地点〜

クスコからの鉄道で82kmの地点(駅がある)が私たちのトレッキングのスタート地点だ。ゲートがあり、パスポートのチェックがある。ポーターを含め、入山者は1日400人に規制されているそうだ。我々一行の場合、ツァーリーダーを含め日本人23名、現地ガイド4名、ポーターは40名にもなったらしい。ガイド無しでは入山できない決まりだそうだ。環境を守るために10年前からそうなったという。それ以前は勝手にテント持参で歩けたそうだ。その頃の入山者は1日千人くらいだったとか・・・。「富士山も入山制限をするべきだ」という議論になった。





線路沿いのトレイルの看板の下で記念撮影。

ここで入山者のチェックがある。

ウルバンバ川を渡る橋。赤い荷を背負う人々は
ポーターさんたち。




ポーターたちも、列は違うが同様に入山手続きをする。
彼らの荷物の担ぎ方は様々だ。こんな風に民族色豊
かな布で風呂敷風に担ぐ人も多い。

〜いよいよ歩き始める〜

手続きを終えてウルバンバ川を吊り橋で渡り、トレッキンブ開始。この辺りは2500m位だが、熱帯なのでサボテンが多い。しばらくは点在する集落をつなぐ道で、インカトレイルのトレードマークとも言うべき石の道ではなく土の道だ。石は除かれたらしい。ガイドのイワンが、何やらサボテンに張り付いた灰色の物を指にべとっと擦り取って、赤紫の汁を見せ、コチニールと教えてくれた。虫だと聞いて、ピンと来た。草木染めの店で見た染料のコチニール。美しい紫がかったピンクに染まる、あの虫だ。カイガラムシ科でウチワサボテンに付くらしい。しばらくはウルバンバ川を下に見て平らな道を進む。日干しレンガを作っている人たちがいた。対岸に、小規模ながらインカ時代の遺跡が見えた。


はじめのうちは村人たちの生活路でロバに乗った
人々に行き会うことも。

ウチワサボテンの花。


retamaと呼ばれるそうです。和名はレダマ。

Corryocactus squarrosus サボテンです。

1時間半くらい平らな道を歩いてから、いよいよ登り始めた。ゆっくりゆっくり歩く。大きな荷物を背負っているポーターたちが近づくと後ろから「ポーターさんが行きまーす」と声がかかるので、傍らによけて道を譲る。彼らは裸足にゴムゾーリが多く、荷物を大きな布にくるんだだけで担ぐ人も多い。しばらくすると、早速遺跡が眼下に見えた。ヤクタパタ遺跡だ。昼食は、テントを張った中に折りたたみテーブルが組み立てられ、民族柄のクロスが掛けられ、暖かい物が供された。また、ゆっくりと谷沿いの道を登って、1日目のキャンプ地ワイリャバンバ(標高2950m)に着いた。コース中唯一の村で、家畜(ロバなど)がキャンプ地内に入らないように、鉄条網の柵に囲まれていた。テントはホテル同様、I氏の遠足倶楽部のKさんと2人だ。


途中、振り返ると氷雪のベロニカ山が見えた。

Barnadesia caryophylla

Fuchsia boliviana, フクシャの一種。

野生のバラ