(7)インカトレイル3日目(後半)


ボマーリア(Bomarea sanguinea), 華やかです。オレンジ色のもありました

〜サヤクマルカ遺跡〜

12時半、サヤクマルカ遺跡についた。荷を下ろし99段の急な石段を上ったところが遺跡だ。インカ道が三方から交わる要所だったそうだ。見晴らしの良い斜面に立つ。石段の間にはスミレが顔を覗かせる。トレイルではあちこちでスミレに出会ったが、一種類だけだったと思う。数段のエアステップ(30cm位の石の板が突き出ているだけ)が3m位下の見張り台をつなぐが、足を踏み外しそうなステップをガイドのワシントンが軽々と駆け下りたり駆け上ったりして、やんやの喝采を浴びた。山の泉の水を生活用水にする水路の工夫には感心した。

サヤクマルカ遺跡。

左端の急な階段がわかるでしょうか?

トレイルで見たスミレはこの種類だけでした。

石を削る技術には驚かされます。ロープを通す穴?

エアステップ。階段です。

キャンプ地の立て札。後ろのテン
トの中に食卓が整えられます。
昼食は、さらに30分程歩いたキャンプ地だった。広々とした丘で、すでに2時になっていたので、ここで泊まりと決めたグループのテントも見えた。通り雨があり、雷鳴が遠くに聞こえた。

〜プユパタマルカへ〜

雨もやみ、宿泊地プユパタマルカを目ざして出発。だんだん緑豊かなジャングルの趣きになる。といっても標高3600mだが・・・。モス・クッション(園芸用のピートモスになるそうだ)と呼ばれるふかふかの苔が斜面に広がる。1kgのモスは1Lの水を蓄えるそうだ。ガイドのジョン・トラボルタ(と呼んだ)が登山用のステッキを差し込んで見せる。握り部分まで入ってしまった。それだけ層が厚いということだ。他のガイドもそうだったが、ジョン・トラボルタは植物に詳しく、写真を撮るため最後尾を歩いていた私は色々教えてもらった。驚くのは学名で教えてくれることで(一般名がないのかもしれない)、ときどき手許の植物図鑑のページを開けてこの植物と教えてくれた。細かい種名までは分からなくても○○属とかいう。

この辺りは竹も多かった。北米には自生の竹や篠の類いがないと聞いたが、この辺りには3種類の竹が生えているそうだ。道端には時々青いルピナスを見かけた。ルピナスといえば、ニュージーランドの背の高い大群落を思い浮かべるが、ここのは草丈20〜30cmの小さい草花だった。

16:45 トレッキング最後のキャンプ地プユパタマルカに着いた。北の方に、マチュピチュの背後に控えるワイナピチュ山が垣間見える。夜半には晴れわたって満天の星と氷雪のベロニカ峰が月夜に浮かび上がっていた。

ルピナス。

竹。しゃれた形です。

こんな岩穴を通る所もありました。

モス・クッション

Oxalis san-miguelli

トケイソウの仲間

東にベロニカ峰が見えました。