キヌガサソウ(衣笠草)

Paris japonica, ユリ科ツクバネソウ属


2006.8.2 爺ヶ岳(長野県)




花は純白で美しい。右やや下の外花被片の内側に細
い内花被片が見えます。2006.8.2 爺ヶ岳(長野県)


花はピークを過ぎるとピンクっぽくなります。
2006.8.2 爺ヶ岳(長野県)
本州(中部以北)に分布。湿った林を好む。高さ30〜80cm、茎の上端に8−10枚の長楕円形の葉が輪生し、笠のように広がる。茎の先に直径7−8cmの花を1個つける。花弁のように見えるのは外花被片で葉と同じ数だけあり白色だが、花期の終りには淡い紅紫色になる。内花被片も同数で細くて白い。黄色い葯をもつ雄しべのまわりにあり雄しべより長いが、白い外花被片と同じ色なので目立たない。花期は7−8月。


キヌガサソウを初めて見たのは30年以上も前で、笠が岳(北ア)への山旅の途中でした。その日の宿の鏡池山荘に着いたのは午後早い時間でしたので、周辺散策に出かけたところ、ナナカマドの茂みの下に大きなキヌガサソウが咲いていました。中心の白い花は7−8cmあり、放射状についた葉を入れると両手を拡げたくらいはあったという記憶があります。たまたま、山小屋のご主人に出会い、いろいろ教えていただきました。
長いブランクの後、山歩きを再開し、昨年、槍ヶ岳西鎌尾根を経て下山したとき、鏡平を通りましたが、周辺一帯はロープが張られ、周辺散策などは出来なくなっていました。鏡池周辺も木製のデッキで整備されていました。昔は、質素な小屋と穂高連峰を映す池だけでしたが・・・。


柏原新道で、ふと見上げると、林の中に咲くキヌガサソウが見えま
した。 2006.8.2 爺ヶ岳(長野県)

ナナカマドの下で大群落を作っていました。 2006.8.2 爺ヶ岳(長野県)




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