Saracha punctata

ナス科 (Solanaceae)






 この花の色は、花の色としてはちょっと変わっていますね。何という名の植物かと、手持ちの図鑑「インカトレイルの花」(インカトレイルの旅に出かけた知人が買ってきてくれました)をめくっていましたら、これに違いないという写真がありました。この本は、私たちが歩いたトレイル沿いのどこで、その植物を見られるかまで記してあって、とても役に立ちます。
 ところで、この小さな図鑑には、植物の特徴などの説明がありません。そこで、いつものようにネットで調べようと植物名を入力して検索を試みました。期待したような、植物についての記載のあるページは見当たらず、たまたま開いたサイトは、この植物の葉から抽出した成分に、リューシュマニアやトリパノゾーマといった原虫の生育を抑制する作用がある、という学術論文の抄録でした。熱帯病の原因となる原虫を打ち負かす物質が、熱帯の植物にあるのだなと感心しました。
 ナス科の植物は、薬や毒とは縁があるのです。華岡青洲が麻酔に使った植物の一つがチョウセンアサガオ、中毒騒ぎのよく起きるハシリドコロ、有毒なニコチンを含有するタバコ、いずれもナス科の植物です。 そういえば、この花は色といい、形といい、 ハシリドコロの花に、ちょっと似ています。ハシリドコロの花は葉の陰に隠れていますし、こんな風に花がまとまって咲くこともありませんが・・・。




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